東京の不動産仲介業者の景況感指数(DI)が悪化|マンション価格上昇の裏で需要に減速感

東京のマンション価格は2026年6月度も上昇を続けていますが、住宅不動産仲介業者の景況感が大きく悪化しています。首都圏の成約価格データに減速が表れる前に、東京の住宅販売市場で変化が進み始めている可能性を示しています。

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AtHomeが公表した「売買仲介業者DI」によると、東京23区の4~6月期のDIは44.4となり、1~3月期の51.3から低下しました。
千代田区、中央区、港区の都心3区ではさらに大きく低下し、60.2から39.7となりました。
DIは、仲介業者が景況感について前年同期と比べて「良くなった」または「悪くなった」と感じているかを示す指標です。50を上回れば改善、50を下回れば悪化を意味します。
これは仲介業者の回答に基づく景況感の指標であり、成約件数や価格、在庫を直接測定したものではありません。
この違いは重要です。なぜなら、実際の成約価格は依然として上昇しているからです。
日本不動産研究所の「不動研住宅価格指数」によると、首都圏の中古マンション価格指数は6月に前月比1.05%上昇して149.19となり、30カ月連続で上昇しました。東京は1.19%上昇し、176.41となりました。
同指数は同一物件の繰り返し取引をもとに算出されているため、売出し価格ではなく実際の成約価格を反映しています。
仲介業者の景況感は市場の先行指標となる可能性
成約価格が上昇する一方で、仲介業者の景況感が悪化していることは、必ずしも矛盾しているわけではありません。むしろ、両者が捉えている取引サイクルの段階が異なることを反映している可能性があります。
仲介業者は、買い手からの問い合わせ、内見の動き、予算に対する抵抗感、価格交渉、購入の見送りや延期といった変化を、こうした状況が成約価格指数に表れるよりも早く把握します。
その意味では、景況感は市場環境の変化を示す先行指標となる可能性があります。ただし、AtHomeの調査だけで、今後マンション価格が下落することが証明されたわけではありません。
AtHomeが持つ仲介業者ネットワークの広さを考えると、今回の結果は注目に値します。
4~6月期の調査には、13都府県・14市場エリアの既存の不動産事業者から1,937件の有効回答が寄せられ、そのうち首都圏からの回答が大きな割合を占めています。
AtHomeはまた、2026年半ば時点で全国6万3,000を超える加盟・利用不動産店舗を擁する、日本最大級の不動産情報ネットワークの一つを運営しています。
そのため、同社は買い手と売り手に直接対応する仲介業者から、非常に幅広い市場情報を得ることができます
この調査は2014年から四半期ごとに実施されており、今回の発表で第50回を迎えました。
今回の回答で特に注目されるのが、都心部の状況です。
AtHomeによると、極めて高い不動産価格と金利上昇を背景に、実需層の購入希望者が購入を先送りするケースが増えています。また、投資家や海外の買い手からの需要にも減速の兆しが見られ、成約件数が減少する一方で在庫が積み上がっているとしています。
こうした圧力は、東京全体に一様に広がっているというより、都心3区で特に強く表れているようです。
この点は重要です。東京23区には価格水準や買い手層が大きく異なるエリアが含まれているため、高価格帯での弱含みを、そのまま東京全体で同じ調整が起きている証拠とみなすことはできません。
現時点では、成約価格データは依然として上昇基調を示しています。
しかし、AtHomeの仲介業者調査は、より先行的な観点から、別の問いを投げかけています。
買い手の動きが鈍り、価格への抵抗感が強まり、取引の進み方が遅くなるといった変化が、成約価格指数に表れる前に始まっているのではないか、という点です。
こうした状況が続けば、東京の住宅市場が減速する最初の明確な兆候は、価格の下落ではなく、現在の価格水準で成立する取引件数の減少となる可能性があります。
その場合、売り手には価格への期待を見直す圧力が強まり、最終的には成約価格が、すでに仲介業者が報告している市場環境の悪化に近づいていく可能性があります。
出典/Further Reading:
Patience Realty(2026年8月)



