日本の住宅在庫が成約件数を上回るペースで増加|REINS売り物件は前年比4.7%増、成約は1.0%増

日本の不動産流通標準情報システム「REINS(レインズ)」に登録された売り物件数は、2026年6月も増加を続け、成約件数の伸びを上回りました。
主なポイント
6月のREINS売り物件登録数は前年比4.7%増加した一方、成約件数は1.0%増加
REINS上では取引件数を上回るペースで売り物件の在庫が積み上がっていることが示されていますが、この数字だけで全国的に買い手市場へ移行したとは判断できません
REINSを通じた賃貸市場では、新規登録、成約件数、在庫件数のいずれも減少が続いています
公益財団法人不動産流通推進センターが2026年7月21日に発表した全国のREINS利用状況によると、売り物件の在庫件数は前年同月比4.7%増の44万3,165件となりました。
一方、成約件数は1.0%増の2万2,518件と、20カ月連続で前年同月を上回りました。

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これらの数字からは、REINSに登録された売り物件の在庫が成約件数を上回るペースで積み上がっていることが分かります。ただし、買い手側に交渉力が明確に移っているかを判断するには、価格動向、売却までの期間、地域ごとの市場環境など、追加の指標を見る必要があります。
REINSとは?
REINSは、国土交通大臣が指定する4つの組織によって運営されている不動産情報ネットワークです。
不動産会社はこのシステムを利用して、加盟する他の不動産会社と物件情報や成約情報を共有しています。
一般の消費者がREINSの全システムを直接検索することはできません。そのため、REINSの統計は、参加する不動産会社を通じて取り扱われた不動産取引の重要な動向を把握するためのデータとなりますが、日本国内で売り出されているすべての物件や、すべての成約を網羅するものではありません。
売り物件の在庫が7カ月連続で増加
6月のREINSへの新規売り物件登録数は前年同月比0.5%減の12万3,255件となりました。前年同月を下回るのは6カ月連続です。
新規登録数が減少したにもかかわらず、売り物件の在庫件数は7カ月連続で増加しました。
その背景としては、既存の登録物件がより長期間REINSに掲載されていることや、成約によってシステムから削除される物件数を上回るペースで新たな物件が登録されていることなどが考えられます。
購入者にとっては、登録物件の選択肢が増えることで、立地、状態、価格などを比較する機会が広がる可能性があります。
一方、売却側にとっては、特に近隣に類似物件が多いエリアでは、在庫の増加によって競争が激しくなる可能性があります。
もっとも、成約件数が引き続き前年を上回っていることから、REINS上で確認される需要が停滞しているわけではありません。今回のデータは、全国的に買い手に有利な市場へ明確に移行したというよりも、売り物件と成約件数のバランスが徐々に変化していることを示しています。
REINS全体の取引活動は低下
売買・賃貸物件を合わせたREINSへの新規登録件数は、前年同月比6.8%減の31万414件となりました。
これは27カ月連続の減少です。
成約件数も7.3%減の5万2,288件となり、5カ月連続で前年同月を下回りました。登録物件の総数は2.9%減の77万9,136件で、25カ月連続の減少となりました。
売買と賃貸を合わせた全体の数字と売り物件の動向が異なる背景には、REINS上で確認される賃貸物件の登録が引き続き減少していることが大きく影響しています。
賃貸物件の登録も減少が続く
6月のREINSへの新規賃貸物件登録数は前年同月比10.6%減の18万7,159件となり、52カ月連続で前年同月を下回りました。
賃貸物件の成約件数も12.7%減の2万9,770件となり、6カ月連続で減少しました。
賃貸物件の登録在庫は11.4%減の33万5,971件で、46カ月連続の減少となりました。
これらの数字は、REINS上で確認される賃貸市場の取引活動が縮小していることを示しています。ただし、日本の賃貸市場全体を網羅するものではありません。
賃貸物件はREINS以外にも、不動産業界の別のネットワークや消費者向けのポータルサイトなどを通じて募集・取引されているためです。
今回のデータが示すこと
6月のデータからは、REINS上で住宅の売買市場と賃貸市場が異なる動きを見せていることが分かります。
賃貸物件の登録は減少を続ける一方、売り物件の登録在庫は、成約件数が前年を上回る中でも増加しています。
海外の購入者や投資家にとって、全国の合計値は個別の購入判断を直接左右する指標というよりも、市場の変化を捉える初期的なシグナルとして捉えるのが適切です。
市場環境は地域、物件タイプ、価格帯、築年数などによって大きく異なるため、具体的な物件については、免許を持つ不動産会社に相談することが重要です。
出典/Further Reading:
Patience Realty(2026年7月)



