東京都心の賃貸募集賃料が過去最高更新|募集価格と入居者予算の乖離拡大
- Tsubasa Yajima

- 4月1日
- 読了時間: 3分
日本の賃貸住宅市場では、特に東京都心部を中心に賃料上昇が続いています。大手不動産ポータル「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULLの最新調査によると、2026年2月時点で東京都内のファミリー向け・単身向け賃貸物件の募集賃料がともに過去最高を更新しました。
一方で、入居希望者が実際に問い合わせを行う価格帯との乖離も拡大しており、貸主側の賃料設定が入居者の予算感を上回り始めている実態が浮き彫りになっています。
データ概要
本調査は、LIFULL HOME'Sに掲載された賃貸マンション・アパートを対象とした月次データを分析したものです。
分析期間は2020年1月から2026年2月までとなっています。
単身向け物件には、ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2Kを含みます。
ファミリー向け物件には、2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK以上を含みます。
また、「東京都下」は東京23区を除く東京都内エリアを指します。
ファミリー向け賃貸、東京23区で過去最高更新
ファミリー向け大型住戸では、東京23区の平均募集賃料が25万5,765円となり、前年同月比12.3%上昇しました。
19カ月連続の上昇となり、過去最高を更新しています。

ファミリー向け賃料動向(LIFULL HOMES提供の図をPatience Realtyにて編集)
一方、実際の需要を反映しやすい「問い合わせ賃料」は17万8,212円で、上昇率は前年比1.2%にとどまりました。
その結果、募集賃料と問い合わせ賃料の差額は7万7,553円まで拡大しています。
賃料上昇は都心以外にも広がっており、東京都下のファミリー向け平均募集賃料も12万1,476円と、前年比12.6%上昇し過去最高を更新しました。
また、東京23区と東京都下の募集賃料差は13万4,289円となり、過去最大の開きとなっています。
単身者向け物件はさらに高い上昇率に
単身者向けコンパクト住戸では、さらに強い賃料上昇が確認されました。
東京23区の平均募集賃料は13万2,903円となり、前年比19.2%上昇しました。
前月比でも5.6%上昇しており、調査期間中で最大の月間上昇率となっています。

単身者向け賃料動向(LIFULL HOMES提供の図をPatience Realtyにて編集)
一方、問い合わせ賃料は9万5,508円で、前年比2.9%上昇にとどまりました。
募集賃料との差額は3万7,395円まで拡大しており、貸主側の強気な価格設定が鮮明となっています。
東京都下では、単身向け募集賃料が6万3,326円(前年比7.0%上昇)、問い合わせ賃料は6万6,557円となりました。
差額は3,231円と小さく、都心部に比べると賃料と需要水準の乖離は限定的です。
都心プレミアムがさらに拡大
今回のデータでは、東京23区の「都心プレミアム」がさらに拡大している点も特徴となっています。
主要オフィス街へのアクセス性や交通利便性、都市機能の集積などを背景に、都心部への需要は依然として強く、貸主側も高い価格設定を維持しています。
一方、東京都下ではコロナ禍以降に高まっていた郊外需要が一巡し、賃料上昇ペースが徐々に安定化しつつある可能性も示唆されています。
募集賃料と実需の乖離が拡大
2026年2月データで最も注目されるのは、募集賃料と問い合わせ賃料の差が拡大している点です。
募集価格は急上昇している一方、実際に入居検討者が反応する価格帯は比較的緩やかな上昇にとどまっています。
これは、貸主側が需給逼迫を背景に高値を試している一方で、入居者側の予算制約が依然として強いことを示しています。
今後、この乖離がさらに広がれば、空室対策の観点から募集賃料の上昇ペースが鈍化する可能性もあります。
参考資料:
(Excel形式)



