東京のマンション短期転売が都心に集中|東京カンテイ調査で23区2.49%、千代田・中央・港は4%台

マンションの短期転売が東京の都心部に集中する傾向が強まっています。東京でも特に価格水準の高い住宅市場で、投機的な取引がどのような影響を及ぼしているのか、注目が集まっています。

東京カンテイが2026年2月24日に発表した調査によると、2025年の東京23区におけるマンションの短期転売率は平均2.49%となりました。千代田区、中央区、港区の都心3区ではいずれも4%を超え、23区平均を大きく上回りました。
同社は、短期転売を「築5年以内のマンションが中古市場に流通すること」と定義しています。そのため、この数字は実際に売買が成立した件数ではなく、中古市場に売り出された住戸の割合を示しています。
今回の結果からは、東京全体で短期転売が広がっているというよりも、特定の地域に集中していることが分かります。特に都心部では、築年数の浅いマンションが市場に戻る頻度が高い一方、物件価格も高い水準にあります。
東京カンテイは別の調査で、東京のマンション価格が引き続き上昇していることも示しています。東京23区における70㎡換算の中古マンション価格は、2026年1月に1億2,123万円に達しました。
政府データも同様の動きを示す
国土交通省の別の調査でも、東京の都心部で短期間の転売が多い状況が示されています。
国土交通省によると、2025年上半期に東京23区で保存登記された新築マンションのうち、1年以内に売買された割合は9.3%でした。千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区からなる都心6区では12.2%に達しています。
ただし、東京カンテイの2.49%という数字と、国土交通省の9.3%、12.2%を直接比較することはできません。両者では定義や対象となるデータが異なるためです。東京カンテイは築5年以内のマンションが中古市場に流通した割合を測定しているのに対し、国土交通省は1年以内に所有権が移転したマンションを対象としています。
それでも、両方のデータから、短期間での転売が東京の都心部に特に集中していることがうかがえます。
政策当局も対応へ
この問題には、すでに地方自治体も注目しています。
2025年7月、千代田区は不動産協会に対し、区内の一部の新築マンションについて投機的な購入を抑制する取り組みを促すよう要請しました。その中には、購入者が物件の引き渡しを受けてから原則5年間、転売できないよう契約上の特約を設けることも含まれていました。
これは千代田区内のマンション転売を一律に禁止する法的措置ではありませんが、高額な住宅プロジェクトにおける短期的な売買に対する懸念が高まっていることを示す動きといえます。
なぜ重要なのか
海外の購入者や投資家にとって重要なのは、東京全体でマンションの転売が一様に高水準になっているということではありません。
むしろ、短期転売は、すでに価格が大きく上昇している一部の高額な都心エリアに集中しているように見えます。
ただし、短期転売が東京のマンション価格上昇を引き起こしていると証明するものではありません。建築費の上昇、供給の限られた状況、再開発、投資需要、金融環境など、マンション価格にはさまざまな要因が影響しています。
それでも、築年数の浅いマンションの再流通が東京の都心部に集中する傾向は、市場関係者や政策当局が注目する水準になっています。今後のマンション市場の変化を考える上でも、引き続き注視すべき指標の一つといえます。
出典/Further Reading:
Patience Realty(2026年2月)



