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国交省がマンション登記200万件超を分析|非居住者による高額物件の短期転売に特定の傾向なし

執筆者の写真: Tsubasa Yajima
Tsubasa Yajima
9月16日
読了時間: 6分
日本のマンション所有権登記について、これまで公に発表された中で最も詳細な分析から、非居住者による購入が一部の都心市場に集中していることや、一部の大規模マンションで短期転売の割合が高いことが明らかになりました。

一方、国土交通省(国交省)は、東京23区のうち都心6区において、非居住者が2億円以上の新築マンションを特に多く購入したり、短期間で転売したりする傾向は確認できなかったとしています。

日本のマンション所有権に関するデータが大幅に充実 

国交省が2026年9月15日に公表した分析は、約57万件の「所有権保存登記」と、約150万件の「所有権移転登記」を対象としています。所有権保存登記は、これまで所有権が登記されていない新築マンションについて、初めて所有権を登記するものです。一方、所有権移転登記は、その後の売却やその他の譲渡によって所有者が変更された際に記録されます。


データの対象期間は2018年1月から2025年12月までです。分析対象は、日本の三大都市圏に加え、札幌市、仙台市、広島市、福岡市です。


国土交通省(国交省)は、2026年9月15日に発表した分析結果では、東京23区のうち都心6区において、非居住者が2億円以上の新築マンションを特に多く購入したり、短期間で転売したりする傾向は確認できなかったとしています
マンションの所有権登記データを調査する東京の会社員を描いたChatGPT生成画像(All rights reserved)

今回の調査は、2025年11月に公表された前回の分析を拡充したものです。前回は2025年6月までの所有権登記を対象としていました。年後半のデータを追加することには意味があります。大規模マンションの竣工が特定の年に集中すると、年間の統計値に大きな影響を与える可能性があるためです。


今回の分析では、所有者の登記住所が日本国外にある場合を「非居住者」と分類しています。この指標は国籍や市民権ではなく、登記上の住所に基づいています。


したがって、海外に居住する日本人は非居住者に含まれる可能性がある一方、日本国内に居住する外国籍の人は通常、非居住者には含まれません。


また、登記上の住所だけでは、法人による購入の背後にある最終的な資金源を把握することもできません。


非居住者による購入は都心市場に集中 

2025年の新築マンション取得に占める非居住者の割合は、東京都全体で2.5%、東京23区で2.8%、都心6区の千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区では5.9%でした。 

国交省は、大阪や京都の一部でも比較的高い、または上昇傾向にある割合を確認しています。


ただし、東京都全体の年間比率は、2025年上半期の3.0%を下回りました。都心6区でも6.7%から5.9%に低下しています。


国交省は、これらの割合は、特定の時期にどのマンションが供給されたかによって大きく変動する可能性があると指摘しています。


そのため、大規模マンションの供給によって地域全体の平均値が動き、上半期など一部期間に見られた上昇が、年間を通じて継続する傾向であるかのように見える可能性があります。


2億円以上への明確な集中は確認されず 

価格データは、東京の高価格帯市場における非居住者の参加状況をより直接的に検証する材料となります。


国交省が民間の価格データと照合できた2024年および2025年の都心6区の購入事例では、2億円以上の物件における非居住者の割合は6.4%で、2億円未満では4.0%でした。


この割合だけを見ると高価格帯の方が高いものの、国交省は価格帯別の内訳から、非居住者が高価格帯の物件に特に集中している傾向は確認できなかったとしています。


照合できたサンプルには、2億円以上の購入が1,209件、2億円未満が4,194件含まれていました。また、価格帯が上がるほどサンプル数は少なくなっています。


これは、非居住者が高級マンションを購入していないということではありません。国交省の分析からは、2億円以上の価格帯に非居住者の購入が特に集中していることを確認できなかった、ということです。


大規模マンションが短期転売の割合を押し上げる 

マンションの短期転売をめぐる懸念から、国交省が今回のデータを拡充する以前から対応が進められていました。 

ペイシャンスリアルティのインサイトで2025年に報じたように、千代田区は不動産協会に対し、数年間にわたる制限を含め、マンションの短期転売への対策を検討するよう要請しました。


業界では当初、自由な市場における幅広い転売規制について疑問の声が上がりましたが、その後、より限定的な自主ルールが導入されました。このルールでは、購入契約の締結から引き渡しまでの期間に、購入者が転売の広告掲載や手配を行うことを開発事業者が制限できるようになっています。


この措置は、購入者が日本人か外国人かにかかわらず適用されました。


国交省による今回の新たな登記データは、この議論の背景にある動きをより広く捉えるものです。国交省は短期転売を、最初の所有権保存登記から365日以内に所有権移転登記が行われたものと定義しています。


特に目立つのが大規模マンションです。東京23区で40平方メートル以上の新築マンションを対象とした場合、2024年の大規模マンションの短期転売率は9.0%だったのに対し、それ以外のマンションでは2.9%でした。


今回の分析では、国交省は大規模マンションを、100件以上の該当する所有権保存登記(マンションの住戸)を有する物件と定義しています。


2024年上半期に供給された大規模マンションが全体の短期転売率を押し上げる要因となった一方、下半期に供給された大規模マンションでは、短期転売の件数と割合の双方が低下しました。


この結果は、非居住者に関するデータからも見られる点を裏付けています。ごく一部の非常に大規模なマンションが、都市全体の統計値を大きく変える可能性があるということです。


非居住者の所有と高額マンションの短期転売は別の問題 

非居住者も短期転売に関与しています。国交省によると、東京23区では近年、非居住者による短期転売の件数と割合が上昇しており、2024年の短期転売率は5.7%でした。


しかし、高価格帯については、より明確な証拠は得られていません。


国交省が価格データと照合した2023年および2024年の都心6区のデータでは、短期転売全体に占める非居住者の割合は3%未満でした。


また、2億円以上の物件について、非居住者による短期転売は確認されませんでした。 

そのため国交省は、非居住者が高価格帯の物件を積極的に短期転売する特定の傾向は確認できなかったとしています。


この区別は、これまでの業界の対応を理解するうえでも重要です。ペイシャンスリアルティのインサイトでは以前、東京建物の小澤仁社長が住宅の投機的な利用は望ましくないとする見解を示したことを報じる一方、誰が投資家なのか、また所有者がその後なぜ転売したのかを判断することの実務上の難しさについても取り上げました。


国交省のデータも、基本的には同じ限界を抱えています。登記によって、1年以内に所有権が移転したことは確認できますが、その理由までは分かりません。


データから分かること、分からないこと 

登記データからは、購入者の動機や実際の居住状況、法人所有の背後にある最終的な実質的所有者、転売による利益、あるいは非居住者による需要がマンション価格上昇の原因となったかどうかを判断することはできません。


一方で、より具体的な点は明らかになっています。非居住者による購入は一部の都心市場に比較的集中しており、特に大規模マンションでは短期転売の割合が高くなる可能性があります。


しかし、今回拡充されたデータからは、東京の都心6区において、非居住者が2億円以上の物件の購入や短期転売を他の購入者よりも多く行っていることを示す結果は確認されませんでした。


出典/Further Reading:

Patience Realty(2026年9月)

Working on Laptop

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