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東京都、既存ビル活用の低廉賃貸住宅を初採択|千代田区神田錦町で改修事業

執筆者の写真: Tsubasa Yajima
Tsubasa Yajima
8月20日
読了時間: 3分
東京都は、民間が所有する既存建物を活用して周辺相場より低い賃料の住宅を供給する新たな取り組みで、初となる採択プロジェクトを決定しました。

2026年8月19日に発表されたこのプロジェクトでは安田不動産が事業者として選定され、千代田区神田錦町にある築年数を経た複合用途ビルを、低廉な賃貸住宅と商業スペースへ改修する予定です。

低廉な賃貸住宅部分の賃料は、周辺の類似物件の賃料水準を基準として、その80%程度に設定されます。

東京都は、民間が所有する既存建物を活用して周辺相場より低い賃料の住宅を供給する新たな取り組みで、初となる採択プロジェクト決定しました。事業者には安田不動産が選定されました。
東京都庁舎の写真/Photo by Kevin Richardson on Unsplash; (ChatGPTにより色味と雲の軽減加工を行なっています)

対象となる建物は1981年以前の旧耐震基準で建設されており、このプロジェクトでは住宅政策に加え、耐震改修と既存建物の再活用も組み合わせられています。


東京都は、改修工事および耐震改修にかかる対象経費の2分の1を、1プロジェクトあたり最大2,000万円まで補助します。 


既存民間建物を活用する低廉賃貸住宅供給の試み


このプロジェクトは、東京都が今年開始した「改修による低廉な住宅供給チャレンジ事業」で初めて採択された案件です。 


同事業は大規模なものではなく、東京都が支援するプロジェクトは最大3件を予定しています。しかし、その意義は、新たな住宅供給モデルを試行する点にあります。 


新築住宅や従来型の公営住宅だけに依存するのではなく、既存の民間建物を低廉な住宅供給の仕組みに取り込むことを東京都は目指しています。 


支援を受ける物件は、10年間にわたって低廉な住宅として利用を継続する必要があります。 

一方で、神田錦町のプロジェクトについて、東京都は供給される住戸数や住戸面積、最終的な賃料水準を公表していません。そのため、実際にどの程度の住宅が供給されるのか、現時点で評価するのはまだ早い状況です。 


また、この事業モデルを大規模に展開できるかどうかも、まだ明らかではありません。建物所有者は改修費用の一部を負担する必要があるほか、周辺相場を下回る賃料を受け入れ、10年間にわたって低廉な住宅として利用を継続しなければなりません。 

最大2,000万円の補助金は、特に耐震改修も必要となる既存建物において、こうした事業上の負担を軽減することを目的としています。 


より広範な住宅費負担軽減策の一環

今回の改修型パイロット事業は、東京都が低価格帯の賃貸住宅供給を拡大するために進める複数の施策の一つです。


東京都住宅供給公社(JKK東京)が関わる別の事業では、一定の条件を満たす世帯を対象に、既存の賃貸住宅を通常より20%低い賃料で提供する取り組みが計画されています。


また東京都は、新築・既存を問わず低廉な住宅の供給を支援する官民連携型のファンドに100億円を拠出しています。こうしたファンドにおける賃料水準は、全都共通の一律の割引率ではなく、プロジェクトごとに設定されます。


各施策に共通する方向性は明確です。東京都は、既存建物と民間資本を活用しながら、比較的手頃な賃料の住宅供給を拡大する新たな方法を模索しています。


今後の大きな課題は、少数の補助対象プロジェクトにとどまらず、この仕組みを継続的に活用できるモデルへ発展させられるかどうかです。


この取り組みが事業として成立し、将来的に規模が拡大すれば、既存建物のコンバージョンによる低廉な賃貸住宅が、改修プロジェクトが集中する地域で民間賃貸住宅市場に新たな供給をもたらす可能性があります。


出典/Further Reading: 

Patience Realty(2026年8月)

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