首都圏の住宅売却市場に変化|価格重視から早期売却へ、SUUMO調査
- Tsubasa Yajima

- 6月20日
- 読了時間: 4分
首都圏では住宅売却の成約率が上昇を続ける一方で、売主の意識には変化が見られています。リクルートのSUUMOリサーチセンターは2026年6月18日、「2025年 住まいの売却検討者&実施者調査」の結果を発表しました。
売却を検討する人の割合は前年から減少したものの、売却活動を始めた人の成約率は引き続き上昇しています。

Photo by Steven Diaz on Unsplash
本調査は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に住み、土地または住宅の売却を検討または実施した人を対象に実施されました。
調査は売主の意識や行動を分析したものであり、実際の取引価格や流通物件数を示すものではありません。
調査は2段階で行われ、まず首都圏在住の20~69歳男女2万人を対象にスクリーニング調査を実施。その後、過去1年以内に土地や住宅の売却を具体的に検討した人を対象に本調査を行い、1,234件の有効回答を得ました。
対象者は、情報収集、不動産会社への問い合わせ、訪問査定、媒介契約の締結など、売却に向けた具体的な行動を取っている人に限定されています。
売却検討者は減少も成約率は5年連続で上昇
過去1年間に土地や住宅の売却を積極的に検討した人の割合は18.7%でした。
これは2020年比で6.2ポイント上昇した一方、前回調査比では1.5ポイント低下しています。
売却を検討した人のうち40.0%が実際に売却を完了し、成約率は前年比0.4ポイント上昇、5年連続の上昇となりました。2020年と比べると13.7ポイント高い水準です。
一方、売却を途中で取りやめた人は17.7%で前年比1.3ポイント増加しましたが、2020年比では11.6ポイント低くなっています。
リクルートは、市場全体の売却意欲はやや落ち着いてきたものの、売却活動を始めた人は以前より実際の売却に至る傾向が強まっていると分析しています。
高値狙いから「売れるうちに売る」へ
売却を検討した理由で最も多かったのは「売れるうちに売りたい」(28.9%)でした。
続いて、「価格が高いうちに売りたい」(28.0%)、「住み替えをしたい」(27.8%)、「より良い住まいへ移りたい」(24.1%)、「家族構成に合った住まいへ移りたい」(18.0%)となっています。
「価格が高いうちに売りたい」と回答した割合は2020年比で7.5ポイント増加し、この5年間で最も高い水準となりました。
一方でリクルートは、市場では最高値を狙う売却から、市場に受け入れられる価格で早期に売却する姿勢へ変化していると分析しています。
売却時に重視するポイントでは、51.4%が売却時期を優先し、価格を優先すると回答した人は28.3%でした。
2021年以降は「タイミング重視」が増加する一方、「価格重視」は減少傾向となっています。
また、59.4%が「高値で売却しやすい市場環境」と回答し、前年から6.2ポイント上昇しました。「売りにくい市場」と回答した人は8.6%にとどまり、4年連続で減少しています。
東京都心では売却への期待感が高い
「高値で売却しやすい」と回答した割合は、東京都心6区で70.3%、東京23区で68.6%、東京都全体で68.3%となりました。
一方、埼玉県は61.4%、千葉県は55.1%、神奈川県は52.9%となり、東京都内ほど売却への期待感が高い結果となっています。
売却理由の最多は住み替え
売却理由として最も多かったのは住み替えで、全体の60.8%を占めました。これは2020年比で5.1ポイント増加しています。
年代別では20代が69.8%、30代が66.8%、40代が63.9%と、若年層ほど住み替え需要が高くなっています。
また、東京都心6区では71.4%、東京23区では70.4%、東京都全体では69.6%となり、東京で特に高い割合となりました。
調査結果からは、売却市場は投資家の売り抜けや資金難による売却ではなく、住宅の買い替え需要が市場を支えていることがうかがえます。
売却検討物件は戸建住宅が最多
売却を検討した物件種別では、戸建住宅が40.2%、マンションが36.2%、土地が23.6%となりました。
戸建住宅は2020年比で6.7ポイント増加する一方、土地は5.9ポイント減少しています。
また、築40年以上の住宅が売却検討物件に占める割合は12.5%となり、2020年比で5.4ポイント増加しました。
住宅購入意欲も市場を支える
リクルートが実施した住宅購入検討者調査では、50%が「今は住宅購入に適した時期」と回答し、2020年以降で最も高い水準となりました。一方、「買い時ではない」と回答した人は18%でした。
中古マンション購入検討者では、「買い時」と回答した人が37%、「買い時ではない」が27%となり、慎重な姿勢も見られます。
リクルートは今後、価格だけでなく、物件の状態や管理状況、情報開示の充実などが、売却成功の重要なポイントになるとしています。
参考資料:
リクルートSUUMO「住まいの売却検討者&実施者調査」 2025年版



