日本の実質賃金、2026年も横ばい見通し|専門家の分析を NHKが報道
- Tsubasa Yajima

- 2025年12月12日
- 読了時間: 3分
2025年12月5日、NHKワールド・ジャパンは、2026年の日本の実質賃金は大きく上昇しないとの専門家予測を報じました。 番組内では、第一生命経済研究所 首席エコノミストの熊野英生氏に対し、NHK記者の福島由子氏がインタビューを行いました。
実質賃金は住宅不動産市場にも直接的な影響を与え、個人消費や家計余力に直結します。家計環境が厳しくなれば、住宅購入意欲は低下し、不動産需要にも影響が及ぶとされています。
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主な論点
2025年10月の家計消費支出は前年同月比で3%減少し、特に食品を中心とした生活必需品の支出削減が進みました。これは賃金上昇率を上回る物価上昇が背景にあります。
2025年を通じて、インフレ率が賃金上昇を上回る状況が続き、日本の実質賃金は一貫して低下傾向にありました。
米国と比較すると、日本の実質賃金のパフォーマンスは大きく劣後しています。米国では高付加価値・高生産性のサービス産業が賃金上昇を牽引しています。
日本ではサービス価格の上昇が緩やかな一方、財(モノ)の価格上昇が急速に進み、実質賃金に下押し圧力がかかる構造となっています。
米国の「マグニフィセント・セブン」に代表されるような大規模高生産性テック産業が日本には存在せず、賃金成長を牽引する産業基盤が限定的です。
医療・介護・福祉といった主要国内サービス産業は依然として低賃金構造にあり、また公定価格制度により高付加価値サービスへの価格転嫁が困難な状況です。
2026年の賃金成長を抑制する外部要因として、以下の2点が指摘されています。
*トランプ政権期に導入された米国の関税政策により、日本の主要自動車メーカーは年間約3兆円規模の負担を強いられており、本来であれば賃上げ原資となり得た資金が制約されています
*中国との政治的緊張関係により、中国本土および香港からのインバウンド観光客減少リスクがあります。両地域は訪日観光需要の約3分の1を占めています。
2026年のインフレ率は約2%、名目賃金上昇率も約2%と予測されており、実質賃金成長率はほぼゼロ水準になる見通しです。
経済学者らは、中小企業が円安を活かして海外展開を拡大し、輸出競争力を高めることが賃金上昇の鍵になると指摘しています。
ビジネスモデル転換や付加価値創出が進まなければ、実質賃金の本格的な改善には1年以上の時間を要する可能性が高いと分析されています。




