国土交通省、分譲マンションの寿命延伸を目指す4件のモデル事業を選定
- Tsubasa Yajima
- 7月31日
- 読了時間: 2分
2025年7月24日、国土交通省は、老朽化が進む共同住宅ストックへの対応として、令和7年度「マンションストック長寿命化モデル事業」の第1回選定結果を発表し、4件の分譲マンションプロジェクトを選定しました。

「マンションストック長寿命化モデル事業」に選定された物件のひとつであるグレースハイツ祐天寺 / Googleマップのストリートビューより
選定されたプロジェクトには、事業の類型に応じて、計画立案・改修・建替え等の支援が提供されます。本事業の目的は、老朽化したマンションの適切な管理と寿命延伸に向けた、実践的かつ再現可能な手法の確立を促進することです。
2つの事業類型
令和7年度の本事業では、以下2つの類型で提案募集が行われました。
先導的再生モデルタイプ
建物の長寿命化を目的とし、新たな建築技術、建材、または機能向上を取り入れた分譲マンションを対象とします。
計画段階と工事段階の両方において支援が行われます。
管理適正化モデルタイプ
管理組合の機能が低下しているマンションを対象とし、地方自治体と連携しながら管理・運営の改善を図ります。
計画策定支援および改修実施支援が提供されます。
合計6件の提案があり、そのうち4件が採択されました。
先導的再生モデルタイプ(計画支援)
東村山富士見町住宅(東京都)
シャンボール三田(東京都)
管理適正化モデルタイプ(計画支援)
グレースハイツ祐天寺(東京都)
管理適正化モデルタイプ(改修工事支援)
セレニティ湯島(東京都)
本事業では、計画支援については年間最大500万円を上限とする定額補助(最長3年間)、また改修・建替え支援については基本的な維持管理を超える工事費の最大3分の1の補助が行われます。
支援対象は、建物の長期的な耐久性または機能性を実質的に向上させると認められる工事に限定されます。
国土交通省によると、日本の分譲マンションストックは急速に高齢化しており、築40年以上の住戸はすでに130万戸を超えています。同省は、建物の物理的劣化、管理運営上の課題、長期的な保全計画の必要性に早期に対応するため、本モデル事業制度を開始しました。
令和7年度の取り組みは複数回の選定を予定しており、今回の第1回は2025年5月下旬に提出された申請を対象としています。今後も年度内に追加の選定が予定されています。