沖縄北部の賃料が急騰、新テーマパーク「ジャングリア沖縄」開業で住宅需要が拡大か
- Tsubasa Yajima
- 6月27日
- 読了時間: 3分
不動産情報ポータルのアットホームは6月26日、「沖縄県 賃料動向調査」の最新結果を発表しました。レポートでは、島内全域、特に北部で顕著な賃料上昇が確認され、新たな大型テーマパークの開業を前に住宅需要が高まっていることが暗示されています。

沖縄は移住先として依然として高い人気を誇っています。2024年7月には、島の北部に「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」という大規模テーマパークが開業予定で、それに伴う従業員需要の増加が、地域の賃貸住宅市場を刺激しています。
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これを受けて、アットホームは自社サイトに掲載された賃貸物件情報をもとに、鉄筋コンクリート造マンションと木造アパートの平均賃料を2022年と2024年で比較し、沖縄本島の北部(例:名護市)、中部(例:沖縄市)、南部(例:那覇市)の3地域に分けて分析を行いました。
鉄筋コンクリート造マンション:北部の単身向けで大幅上昇
鉄筋コンクリート造の賃貸マンションでは、全エリア・全間取りタイプで賃料が上昇しました。特に北部における単身向け(30㎡以下)の賃料上昇が著しく、平均賃料は40%以上の増加となりました。
*鉄筋コンクリート造マンションの賃料上昇率(2022年〜2024年)
単身向け(30㎡以下):
北部:+43.1% → ¥58,477(+¥17,622)
中部:+6.8% → ¥52,665(+¥3,373)
南部:+6.0% → ¥57,063(+¥3,220)
全体平均:+8.3% → ¥51,361
カップル向け(30〜50㎡):
北部:+19.1% → ¥62,496
中部:+8.9% → ¥62,090
南部:+12.0% → ¥78,700
全体平均:+15.1% → ¥74,124
ファミリー向け(50〜70㎡):
北部:+18.8% → ¥77,923
中部:+21.1% → ¥103,279
南部:+1.1% → ¥107,568
全体平均:+7.5% → ¥102,891
木造アパートも上昇、中部エリアで顕著
木造アパートでも全地域で賃料が上昇しており、特に中部では単身向けおよびファミリー向けで大きな伸びが見られました。
*木造アパートの賃料上昇率(2022年〜2024年)
単身向け:
北部:+19.0% → ¥47,752
中部:+20.1% → ¥51,430
南部:+14.6% → ¥51,793
全体平均:+15.8% → ¥51,446
カップル向け:
北部:+11.4% → ¥50,874
中部:+14.7% → ¥54,850
南部:+7.8% → ¥60,460
全体平均:+11.1% → ¥58,658
ファミリー向け:
北部:+11.4% → ¥66,294
中部:+22.7% → ¥79,527
南部:+5.8% → ¥82,081
全体平均:+8.9% → ¥78,534
需要増で地域バランスに変化
データは全地域・全タイプで一貫した賃料上昇を示していますが、特に注目すべきは、北部エリアにおける単身向けマンションの賃料が+43.1%と、全カテゴリー中で最も高い伸びを記録した点です。
調査を行ったアットホームラボは次のようにコメントしています:
「JUNGLIA沖縄の開業が近づく中、北部地域では従業員向け住宅需要がより顕著となり、特に単身者向けマンションの賃料が大幅に上昇しています。移住先として人気の中部エリアでも、アパート賃料の上昇が顕著です。南部エリアは依然として最も高い平均賃料を維持していますが、北部および中部での上昇ペースが速く、島全体のバランスに変化が生じ始めています。」
また、報告書では、地元の不動産会社から「今後の需要増に対して、入居可能な賃貸住宅の供給が不足している」との懸念も示されており、この傾向が続けば、物件オーナーには有利な状況が継続する可能性が高いと指摘されています。