変動金利型住宅ローン、依然として主流 ― 住宅金融支援機構の調査結果より
- Tsubasa Yajima
- 6月30日
- 読了時間: 2分
住宅金融支援機構(JHF)は、2025年4月に実施した最新の住宅ローン利用に関する調査結果を発表しました。 この調査は、2024年10月から2025年3月の間に住宅ローンを借り入れた20〜69歳の個人1,397人を対象としており、日本の住宅ローン市場における現在の借り手の行動や意識の傾向が明らかになっています。

「笑顔の日本人が住宅ローン契約書にサインしている」というプロンプトに対してポートレートフィルターを適用した、WixテキストAI画像(無断複写・転載を禁じます)
最も注目すべき結果のひとつは、変動金利型ローンの利用が依然として多数を占めていることです。金利上昇への懸念が高まっているにもかかわらず、全体の79.0%が変動金利型を選択しており、前回調査の77.4%からさらに増加しました。
これに対し、固定期間選択型ローンは12.2%、全期間固定金利型ローンはわずか8.8%にとどまりました。
今後の金利上昇を見込む声が増加:
65.7%の回答者が「今後1年以内に金利が上がる」と予測(前回は62.9%)
23.2%が「変わらない」と回答
「下がる」と答えたのはわずか1.8%
新規借入金利は依然として低水準だが、上昇傾向も:
金利0.5%〜1.0%で借り入れた人が45.2%(前回36.4%)
0.5%以下で借り入れた人は26.6%(前回37.1%)に減少
返済期間は長期化の兆し
30年超〜35年以内を選択した人は45.8%(前回48.6%)
20年超〜35年以内の割合は60.9%(前回より6.2ポイント減)
一方、35年超〜50年以内を選んだ人は**25.5%**で、4.6ポイント増加
ローン借入額の傾向(LTV比率)
物件価格の90〜100%を借入した人の割合は26.5%(前回25.1%)とわずかに増加
返済負担率(DSR)はほぼ横ばい
月々の返済が収入の15〜20%に相当する人は24.3%(前回24.9%)で大きな変化なし
インフレや住宅価格の上昇が購買行動に影響
56.7%が経済状況を受けて購入計画を見直したと回答
22.8%は予算を増額し、借入額も増加
14.7%は購入エリアを再検討
13.2%は購入時期を早めた
こうした調査結果から、金利上昇への懸念が広がっている一方で、初期コストの低さを背景に変動金利型ローンが引き続き主流であることがわかります。
同時に、多くの購入者がローン期間の延長や資金計画の見直しを行い、経済的な圧力に対応している実態も浮き彫りになりました。
参考資料:
住宅金融支援機構「2025年4月 住宅ローン利用実態調査」(pdfファイル)
出典: