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外国資本が牽引する妙高高原への2,000億円開発計画、地域再生への期待感と慎重論

執筆者の写真: Tsubasa YajimaTsubasa Yajima

新潟県を代表する観光地の一つである妙高高原が、外国投資ファンド主導による大規模な再開発に向けて動き出しました。総事業費は最大2,000億円にのぼる見込みです。 このプロジェクトには地域経済の活性化が期待されている一方で、土地価格の高騰や生活コストの上昇といった課題も懸念されており、かつて北海道のニセコで見られた不動産バブルの再来を心配する声もあります。 

 

訪日外国人と投資の急増 

スキーシーズン真っ盛りの2月、妙高杉ノ原スキー場には多くの観光客が訪れていました。神奈川から来た観光客は「パウダースノーが最高」と称賛し、ニュージーランドからの旅行者は「雪質が素晴らしい上に、リフト券やビールも海外より断然安い」と話していました。 

このスキー場は2023年11月、シンガポール拠点のペイシャンス・キャピタル・グループ(PCG)が取得し、その運営を西武ホールディングスに委託しています。同社は現在、妙高高原を通年型リゾートとして再開発する壮大な計画を推進中です。 


ペイシャンスリアルティ株式会社はペイシャンス・キャピタル・グループと株式会社キャピタルブレインの誇りあるグループ会社です 

「私たちは、冬はスキー、夏はハイキング、秋は紅葉を楽しめるリゾートを目指しています。妙高には美しい自然、世界屈指の雪質、優れた食文化、温泉があります。」と、ペイシャンス・キャピタル・グループ (PCG)CEO のケン・チャン氏 は語ります。


同グループは妙高高原だけでなく、長野県との県境にある斑尾高原や野尻湖周辺でもリゾート開発を進めています。 この10年計画では最大2,000億円の投資が予定されており、杉ノ原スキー場近くには4年以内に高級ホテルが開業する予定です。主なターゲットは、富裕層の国内外観光客です。 


外国人観光客の増加に対応する地元ビジネス 

杉ノ原から車で約10分の赤倉温泉近くのコンビニでは、昼過ぎになると食事を買い求める外国人観光客の行列ができるようになっています。妙高高原の外国人宿泊者数は2023年に12万5,600人を記録し、パンデミック前の水準に回復しています。 


オーストラリア出身の起業家ブレンドン・エリス氏は、3年前に杉ノ原スキー場のふもとに「レッドフォックス・ロッジ」を開業しました。ニセコや白馬に比べて土地が安価だったことが決め手だったと語ります。 また、エリス氏は次のように語りました。

「この開発は地域経済にとってプラスになると思います。冬以外の季節にも観光客が訪れるようになれば、さらに良いと思います。」  

Mountainwatch Travel YouTubeチャンネル提供の妙高高原プロモーションビデオ 


老舗宿泊施設にも変化が見られます。杉ノ原で62年続く家族経営の旅館「ハイランドロッジ武源」の竹田篤氏は、外国人観光客からの直接予約が増えていると感じています。 

「国際的な観光客が増えるのは、地域にとって良いことです。」  — ハイランドロッジ武源 オーナー 竹田篤氏 


妙高高原のスキー場はバブル期(1980年代後半)には年間300万人の来訪者がありましたが、2023年には54万人に減少しています。杉ノ原エリアの家族経営の宿も、かつては100軒ありましたが、現在は30軒ほどに減っています。 

一方で、廃業した旅館が外国人オーナーによるレストランや宿泊施設へと転用されるケースも増えています。 しかし、この変化に懸念を抱く住民もいます。 

「移住者が増えるのは町にとって良いことですが、土地の値段が急騰すると地元の生活が厳しくなります。」(竹田氏) 

 

ニセコ型不動産ブームへの警戒 

この状況は、かつてのニセコを思い起こさせます。北海道の人気スキーリゾートであるニセコでは、外国資本の流入によって地価が15倍に高騰し、地元住民が住宅や日常品を手に入れにくくなった経緯があります。 妙高でもすでに影響が見られ、開発地に近い関川地区では地価が前年比9%上昇し、新潟県内で最も高い伸び率を記録しています。 


新潟県当局は「大規模投資に対する期待が地価上昇の要因」と説明しています。妙高市の城戸陽二市長は、この開発を「一生に一度の機会」と評価しながらも、慎重な対応が必要であると述べています。 

「適度な地価上昇はビジネスチャンスを生みますが、開発が行き過ぎないよう規制を整える必要があります。」  — 妙高市長 城戸陽二氏 


妙高市は、投資家と地域住民が協力できる枠組みの構築を計画しています。 

ペイシャンス・キャピタル・グループのチャン氏は、ニセコや白馬の事例を参考に慎重に開発を進めると話しています。

「過去の事例を学び、適切に調整しながら進めていきます。」  — ペイシャンス・キャピタル・グループCEO ケン・チャン氏 


地価の上昇は避けられないと認めつつも、「ホテルの稼働率向上などの経済的メリットが、それを上回るはずです」と強調しています。 


「地方が投資を呼び込まなければ、若者は都市部に流出し続けてしまいます。私たちの目標は、地域社会とともに再生を進めることです。」  — ケン・チャン氏 


出典:TBS News Dig  

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