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円連動型ステーブルコイン「JPYC」誕生へー今後3年で1兆円規模の発行を目指す

  • 執筆者の写真: Tsubasa Yajima
    Tsubasa Yajima
  • 2025年8月25日
  • 読了時間: 4分
東京・千代田区に本社を置くフィンテック企業のJPYCは、2025年8月19日に会見を開き、日本円に連動したステーブルコイン「JPYC」を9月にも発行開始すると発表しました。 

ブロックチェーン技術を基盤に構築されたこのデジタル通貨は、即時かつ低コストの送金を可能にし、国内外の決済システムに変革をもたらす可能性があります。 
JPYC株式会社 代表取締役の岡部典孝氏

JPYC株式会社 代表取締役 岡部典孝氏(PR Times 提供)


同日の記者会見で、岡部CEOはステーブルコインの潜在的な規模について次のように語りました。 


「最終的にはVisaやMastercard、さらには銀行の送金システムを超える可能性があります。」 


また、2025年第1四半期には、世界のステーブルコイン取引額がすでにVisaの決済額を上回っていると指摘しました。 

 

改正資金決済法に基づく資金移動業の登録承認と仕組み

JPYCは8月18日に資金移動業者としての登録を完了し、発行への最終的なハードルをクリアしました。事業は「数週間以内」に開始される予定です。 


トークンは預金および日本国債を裏付けとし、円と1:1で連動します。個人・法人・機関投資家は、資金を入金することでJPYCを取得し、自身のデジタルウォレットに送金可能です。発行目標は3年間で1兆円としています。 

 

国際送金への活用

主な用途の一つとして期待されるのが国際送金です。従来の銀行送金は手数料が高く、時間もかかります。日本銀行によると、2013年から2019年の間、SWIFTベースの銀行送金における200ドル送金の平均手数料は17.5%に達していました。 


これに対し、岡部氏は次のように強調しました。  「JPYCなら世界中に数秒で送金でき、1円から利用可能です。ブロックチェーンの手数料も1円未満に抑えられます。」 


これは、仕送りを受ける留学生や、母国へ送金する外国人労働者にとって特に有用とされています。 

 

法人利用の拡大

JPYCは法人での利用も見込まれています。ブロックチェーン関連業界では、すでにTether(USDT)やUSD Coin(USDC)といった米ドル建てステーブルコインによる決済が一般化しています。 


例えば、東京を拠点とする大規模国際カンファレンス「WebX」を主催するCoinPost社は、海外出展企業からの支払いのほぼ全てをステーブルコインで受け付けています。JPYCはこうした事例が徐々に円建てにも広がるとみています。 

 

日本における政策的マイルストーン

金融庁にとっても、国内でのステーブルコイン発行は長年の課題でした。2023年6月施行の改正資金決済法では、ステーブルコインと暗号資産の明確な区分が定められ、日本は規制面で先駆的な立場を築きました。 


しかし実際の発行には2年以上を要しました。金融庁の担当者は次のようにコメントしています。  「ようやく一社が踏み出したという印象です。日本が世界の潮流から遅れないよう、今後はさらに多くの企業に続いてほしい。」 


同担当者は、ゲームやデジタルコンテンツといった日本の強みの分野での活用にも期待を示しました。 

 

ステーブルコイン市場の成長見通し

世界のステーブルコイン市場はすでに2,500億ドルを超え、そのうちUSDTとUSDCの2銘柄が2,000億ドル以上を占めています。Citiは市場規模が2030年までに最大3.7兆ドルに拡大すると予測。これに基づき、JPYCは円建て市場が80兆円規模に成長する可能性があると見込んでいます。 

 

残る課題

一方で課題もあります。現時点で日本国内でステーブルコインを取り扱える登録済みの電子決済事業者はSBI VCトレードの1社のみです。 


マネックス証券の松島真琳アナリストは次のように警鐘を鳴らします。


「もしJPYCが取引所に上場すれば、ビットコインなど他の暗号資産の取引にも使えるでしょう。ただし、取り扱える業者が少ない現状では普及は時間がかかります。」 


また、資金決済法の下ではJPYCの発行上限は1件あたり100万円に制限されています。岡部氏は、この上限を緩和すればより多くの企業参入を促し、発行量や手数料収益の拡大につながると述べました。 

 

参考資料:
JPYC 2023 ピッチデック 

出典:

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