シニア向け住宅ローン「リ・バース60」累計申込1万件突破|住宅改修・住み替え需要が後押し
- Tsubasa Yajima

- 6月2日
- 読了時間: 3分
住宅金融支援機構(JHF)は2026年5月29日、高齢者向けリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」の2025年度利用実績を公表しました。
2025年度(2025年4月~2026年3月)は前年度比で利用件数が減少したものの、商品開始以来の累計申込件数は初めて1万件を突破しました。
リ・バース60とは
リ・バース60は、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して提供する高齢者向け住宅ローンです。

Photo by Mark Novak on Unsplash
主に60歳以上の利用者を対象としており、毎月の返済を利息のみに抑えながら住宅資金を調達できる仕組みが特徴です。
利用者の死亡後に、相続人が返済するか、担保となる不動産を売却して元本を返済します。
住宅のリフォームや住み替え、既存住宅ローンの借り換えなど幅広い用途で利用されており、高齢期の住まいに関する資金需要を支える商品として活用が進んでいます。
また、自宅を売却せずにシニア向け住宅へ住み替える際にも利用できるケースがあり、退去する住宅を担保に設定することで、生存中は利息のみを支払う形で資金を確保できます。
利用の大半を占めるノンリコース型
2025年度の利用実績では、全体の99.8%がノンリコース型となりました。
ノンリコース型とは、利用者の死亡後に担保不動産を売却してもローン残高を完済できなかった場合、その不足分を相続人が返済する必要がない仕組みです。
一方、リコース型では不足額について相続人に返済義務が発生する可能性があります。
高齢者やその家族にとって将来的な債務負担を限定できることから、ノンリコース型が主流となっています。
2025年度の利用実績
2025年度の利用状況は以下の通りです。
申込件数:1,293件(前年比12.9%減)
融資実行件数:1,225件(前年比5.6%減)
融資額:195億9,000万円(前年比5.9%減)
一方で、累計実績は以下の水準に達しました。
累計申込件数:10,696件
累計申込金額:約1,695億円
取扱金融機関数は全国で89機関となり、前年度から1機関増加しました。
利用者の平均年齢は70歳
2025年度の利用者像を見ると、平均年齢は70.1歳、平均年収は404万円でした。
職業別では、
年金受給者:58.4%
会社員:19.7%
パート・アルバイト:5.6%
会社役員:4.9%
自営業:4.8%
となっており、年金受給者が過半数を占めています。
平均的な資金計画は、
事業費総額:約3,066万円
借入額:約1,561万円
月額返済額:約4万6,000円
でした。
リフォーム需要の拡大が鮮明に
資金使途では、一戸建て住宅のリフォームが最も多い結果となりました。
用途別の内訳は以下の通りです。
一戸建てリフォーム:28.2%
新築戸建て:27.5%
新築マンション:18.4%
借り換え:15.3%
中古マンション:6.8%
前年度と比較すると、一戸建てリフォームの割合は4ポイント上昇し、新築戸建ては6ポイント低下しました。
この結果から、高齢者の間では新築取得よりも既存住宅の改修や性能向上への需要が高まっていることがうかがえます。
神奈川・東京・千葉で利用が集中
地域別では、
神奈川県:13.1%
東京都:9.9%
千葉県:7.4%
の順となりました。
首都圏の割合は前年度から4ポイント上昇した一方で、三大都市圏および地方中核都市以外の地域では4ポイント低下しています。
また、住宅資金を必要とした理由として最も多かったのは「住宅の老朽化」でした。
理由別では、
住宅の老朽化:49.2%
借り換え:14.0%
住み替え:10.4%
シニア向けマンション入居:8.7%
となっています。
高齢化の進展とともに、住宅の維持・改修や住み替え需要が今後も拡大する中、リ・バース60は高齢者の住宅資金調達手段として引き続き注目を集めそうです。
参考資料:
住宅金融支援機構による2026年1~3月および25年度のリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」の利用実績資料(pdf)



