長野市、JLLと連携し企業誘致強化 UIJターン移住促進で地方経済活性化へ
- Tsubasa Yajima

- 3月12日
- 読了時間: 3分
2026年3月10日付の日本経済新聞によると、長野市がグローバル不動産サービス企業であるジョーンズ ラング ラサール(JLL)と連携した取り組みは、UIJターン移住を促進するための広範な戦略の一環です。UIJターンとは、日本特有の政策概念であり、大都市圏から地方都市への人口移動を指します。
長年にわたり、首都圏は地方から若年層や大学卒業者を大量に引き寄せてきました。その結果、人口が東京圏に集中し、地方都市では人手不足や高齢化、経済成長の鈍化といった課題が深刻化しています。

こうした状況を受け、国や地方自治体はUターン、Iターン、Jターンと呼ばれる移住形態を促進する政策を進め、地方への人口回帰を後押ししてきました。 これらを総称してUIJターン移住と呼びます。名称は地図上での移動経路の形状に由来しており、その軌跡がアルファベットの形に似ていることから分類されています。
Uターンは、地方出身者が進学や就職のために大都市、特に東京へ移り、その後同じ故郷に戻る移動形態です。故郷から都市へ移動し再び戻る軌跡がアルファベットの「U」に似ていることからこの名称が付けられています。
Iターンは、大都市圏からこれまで縁のなかった地方へ移住するケースを指します。都市から新たな地方都市へ一直線に移動する形が「I」に似ていることからこの名称が用いられます。
Jターンは、地方の出身者が一度大都市へ移住した後、元の町ではなく、故郷に近い地方の中核都市へ移住する形態です。この移動経路がアルファベットの「J」の形に似ていることからJターンと呼ばれます。
長野市のような地方中核都市は、このJターンの動きによる恩恵を受けやすいとされています。小規模な町に比べて雇用機会や都市機能が充実している一方、出身地域に近い立地で生活できるためです。
今回のJLLとの連携は、こうした移住者を呼び込むための経済環境を整備することを目的としています。長野市は2025年11月、JLL日本法人と企業立地需要調査サービス契約を締結し、企業の立地需要の分析と、より効果的な企業誘致戦略の策定を委託しました。
JLLが持つ国内外の企業ネットワークを活用し、今回の取り組みでは主に4つの分野に取り組みます。具体的には、長野駅周辺のオフィス需要の分析と誘致戦略の策定、工業用地開発の支援、首都圏または海外に本社を持つ企業による移転や事業継続計画(BCP)に関する情報収集、そして誘致対象となる具体的な企業の特定です。
また、この連携には企業との直接的な関係構築も含まれており、JLLのネットワークを通じて長野市と拠点拡張や移転を検討している企業との接点を作ることが期待されています。その第一歩として、長野市は3月12日に東京で初の単独企業立地セミナーを開催し、約50社を招いて市の投資環境や産業開発計画を紹介する予定です。
同時に長野市は、潜在的な投資企業を受け入れるための工業用地の供給拡大も進めています。市は将来の産業団地開発候補地として8つのエリアを特定しており、2029年度までに約60ヘクタールの新たな工業用地の整備を開始することを目指しています。
市の関係者は、これらの取り組みが移住促進戦略と密接に結びついているとしています。工場やオフィス、研究施設などの立地を誘致することで雇用機会を創出し、首都圏から新たな住民を呼び込むと同時に、東京へ移住した元住民のUターンを促進することを目指しています。



