長野県の地獄谷野猿公苑を是非訪れるべき理由

Tsubasa Yajima
4月29日
読了時間: 3分

長野県の山奥に、日本でも屈指の野生動物スポットがあります――それが地獄谷野猿公苑です。

この特別な公苑では、野生のニホンザル、通称「スノーモンキー」が、雪に覆われた断崖や静かな森林に囲まれた天然の温泉に浸かる様子を見ることができます。

地獄谷野猿公苑とは

地獄谷野猿公苑は、長野県山ノ内町の地獄谷渓谷に位置し、冬季になると露天温泉に入る野生のニホンザルで有名です。赤い顔と厚い毛皮を持つこのサルたちは、人間以外で温泉に入る唯一の霊長類として知られています。

一年中開園していますが、最も見頃なのは冬です。サルたちは寒さをしのぐために山から下りてきて、湯気の立ちのぼる温泉に浸かります。来園者は、檻も芸もない、まさに自然そのままの環境の中で、サルたちが毛づくろいや遊び、そしてくつろぐ姿を間近で観察することができます。

地獄谷野猿公苑の歴史

地獄谷野猿公苑は、近隣のスキーリゾート開発や観光の増加による影響から地元のサルたちを保護するため、1964年に設立されました。

公苑ができる前、サルたちは食べ物や暖を求めて温泉地に現れることが多くありました。

その行動を止めさせたり移動させたりするのではなく、自然保護活動家たちは地元自治体と協力し、サルたちが安全に集まれる専用の場所を設けました。

この取り組みは成功を収め、ナショナルジオグラフィック誌に温泉に浸かるサルの写真が掲載されたことで、世界的に注目を集めました。

以来、地獄谷野猿公苑は日本の野生動物保護の象徴となり、動物たちの自然な行動を尊重しながら観察・研究できる場所として評価されています。

なぜこの場所が特別なのか

「地獄谷」という名前は、湯気の立ち上る噴気孔や岩の多い断崖、地熱活動に由来しています。名前とは裏腹に、冬には雪に包まれた森と幻想的な温泉の湯気が漂う、美しく静かな雰囲気に満ちています。

標高約850メートルに位置し、年間の約3分の1は雪に覆われています。公苑は、豊かな生物多様性と火山地形で知られるユネスコ生物圏保存地域・上信越高原国立公園内にあります。

地獄谷野猿公苑が他と違うのは、ここにいるサルたちが真に「野生」であるという点です。檻で囲われているわけではなく、強制されているわけでもありません。サルたちは毎朝自ら山から下りてきて、温泉に入った後は森へと戻っていきます。公苑のスタッフは彼らの存在を促すために餌を与えますが、その行動には一切干渉しません。

地獄谷野猿公苑への行き方

訪れるベストシーズン：冬（12月〜3月）が最も美しく、雪の中で温泉に入るスノーモンキーの姿が見られる確実な時期です。
アクセス方法：長野駅から長野電鉄で湯田中駅まで行き、そこからバスまたはタクシーに乗り、さらに1.6km（約1マイル）の静かな森の小道を歩きます。
持ち物：防寒着、滑り止め付きの雪用ブーツ、そして感動的な写真を撮るためのカメラやスマートフォンをご持参ください。

一生に一度の体験

地獄谷野猿公苑への訪問は、単なる野生動物との出会いではありません。それは、日本アルプスの静かで希少な一角における、自然と伝統の調和を体感する旅です。写真愛好家、自然好きの方、あるいはただ好奇心旺盛な旅人であっても、温泉に浸かるスノーモンキーの姿は、日本の冬の魔法を感じさせてくれる忘れられない体験になることでしょう。