日銀利上げだけでは円高の特効薬にならない?|HSBCストラテジストが分析する円安・ドル高の背景

HSBCのダーラ・マーハー氏は、インフレによって日銀が利上げを迫られる中でも、日銀の利上げだけでは円高につながりにくい理由を解説しています。
2026年7月23日にBloomberg Surveillanceに出演した同氏は、米国経済でどのような悪化が起きればドル安につながるのか、また欧州中央銀行(ECB)の利上げだけではユーロを支えきれない可能性がある理由についても説明しました。
主なポイント
マーハー氏は、日銀の金融政策だけで持続的な円高を実現できるとの見方に強い懐疑を示しています。
日銀が利上げを行っても、多くの投資家が期待するほど円高が進まない可能性がある理由について解説しています。
長年にわたりデフレとの戦いを続けてきた日銀は現在、これまで経験の少ないインフレ環境への対応を迫られています。
マーハー氏は、日銀がかつて懸命に生み出そうとしていたインフレに対して、現在はむしろ対応に苦慮する可能性があることを、印象的なたとえを使って説明しています。
日本の利上げによって円相場の方向性を大きく変えるには、市場の予想を上回る利上げを行うだけでなく、米国、欧州、英国の金融政策の変化を上回るペースで政策を転換する必要があると指摘しています。
ドルは比較的高い利回りに加えて安全資産としての魅力も持つため、依然として下落しにくい状況にあります。
マーハー氏は、ドルが本格的に下落するには、米国経済指標が明確に悪化する必要があり、特に労働市場の顕著な悪化が重要になると分析しています。
また、ECBがよりタカ派的な金融政策を取ったとしても、景気低迷やスタグフレーション再燃への懸念を伴って利上げが行われれば、必ずしもユーロ高につながるとは限らないと説明しています。
日本の投資家が国内により多くの資金を残すよう促す財政政策や税制上の優遇措置の方が、さらなる日銀利上げよりも最終的には円相場に大きな影響を与える可能性があると指摘しています。
円、ドル、ユーロの今後の見通しや、「良い利上げ」と「悪い利上げ」の違いについて、マーハー氏の詳しい議論を動画にてご覧ください。


