日銀追加利上げで家計への影響が二極化|預金者は恩恵も借入コスト上昇でローン利用者は負担増へ

日本銀行による今回の利上げは、家計全体では預金などの運用収益の増加による恩恵が期待される一方、若い世代の借入世帯により大きな負担をもたらすとみられています。
みずほリサーチ&テクノロジーズの服部直樹チーフエコノミストの試算によると、日本銀行が0.25%ポイントの利上げを行ったことで、30代が世帯主の世帯では、年間約2万1,000円の実質的な負担増になると見込まれています。

その主な理由が住宅関連費用です。20~40代は、住宅ローンや自動車ローンを抱えている割合が高い一方、高齢世帯に比べて金融資産の保有額が少ない傾向があります。
変動型住宅ローンでは、今回の利上げが10月から反映されると見込まれています。MFSの試算では、5,000万円を35年間、金利1%で借り入れている場合、金利が0.25%ポイント上昇すると、毎月の返済額は約6,000円増加します。
一方、家計全体では、よりプラスの影響が見込まれています。
服部氏の試算では、利上げによって日本の家計全体で年間約1兆円、1世帯当たり約2万円の純利益が生じるとされています。全体としては、ローン返済額の増加を上回る預金利息収入の増加が見込まれるためです。
日本の3大メガバンクは、普通預金金利を0.3%から0.4%へ引き上げることを発表しています。2025年12月時点で家計の預金残高は約1,000兆円に上るため、追加的な利息収入は約1.5兆円になると試算されています。金融資産をより多く保有する傾向がある高齢世帯ほど、その恩恵を受けるとみられています。
その結果、世代間で明確な違いが生じます。金融資産を多く保有する貯蓄世帯は預金収入の増加による恩恵を受ける一方、住宅ローンなどの債務を抱える若い世帯は借入コストの上昇に直面します。
企業も影響を受けます。服部氏の試算では、金融・保険業を除く日本企業の経常利益は今回の利上げによって約1%減少する可能性があります。特に、資本金1,000万円未満の企業では、影響が約7%に達するとされています。
住宅市場にとって今回の利上げが意味するところは明確です。家計全体では金利上昇による恩恵が負担を上回ると見込まれる一方、変動金利型住宅ローンを利用する世帯にとっては、金利上昇によって債務の保有コストが高まります。
出典/Further Reading:
Patience Realty(2026年6月)


